みなさん、ハイキングや登山にご興味はありますか?
小学生や中学生時代に学校行事で登山したきり、という方が多いのではないでしょうか。
私も去年まではそのひとり。「登山なんて無理!」と、やらず嫌いをしていました。
けれど去年(2023年)の誕生日、ふいに「そうだ、山に登ろう」と思い、伏見山を登ったことがきっかけで、登山の素晴らしさを知りました。
そして今年の18歳9回目の誕生日は、去年に倣い大文字山を登りました。
その際の記録を記します。
この記事でわかること
- 大文字山とは?
- 大文字山の入口ルート3種類のうち、「銀閣寺道ルート」の詳細
- 京都駅から大文字山付近までのアクセス方法
- 銀閣寺通りで見つけた美味しいわらび餅スイーツ
- 登山ルートを写真付きで案内(これを見ながら進めば迷わないはず! というほど詳細に説明します)
- 実際に登ってみての感想
Contents
大文字山とは?
大文字山は標高約848m。険しい獣道が少なく、王道の銀閣寺ルートから行けば見どころの火床まで約1時間で登れることから、老若男女問わず人気な登山スポットです。
実際、私が登っている最中、たくさんの登山者とすれ違いました。さすが京都と言うべきか、外国人観光客も多かったです。おかげで道に迷うことはありませんでした。
「大文字山」の名前の由来は?
「大文字山」の名前の由来は、山頂に刻まれた巨大な「大」の文字です。
毎年8/16に行われる伝統的な祭り、「大文字送り火」の現場であり、炎により「大」の文字を浮かび上がらせるため、数カ月前から準備がはじまります。
多くの火を使い山腹に描かれる「大」の文字は、夜空に映えてとても美しいそう。京都の夏の風物詩として、国内外問わず、多くの人々に知られています。
大文字山の入口ルート3種類を解説
以下3つのルートに共通している点は、登山初心者の方でも登りやすいということ。
ただ、ルートにより多少特色があるので、それを記載します。
山科ルート
所要時間 : 約3時間
山科ルートは、JR山科駅から毘沙門堂を経由して登るルートです。
急な坂道は比較的少なく、穏やかなアップダウンを繰り返しながら登ることができるそう。
ただ、途中倒木を乗り越えたり潜ったりしなければならない地点があるらしく、また、地理院地図に記載がない道が存在しているため、登山慣れしていない方には少々難易度が高いかもしれません。
蹴上ルート
所要時間 : 約3時間
蹴上ルートは、京都一周トレイルを通って山頂を目指すルートです。
道中、「京都一周トレイル」の標識が多くあるので迷いずらいのですが、岩の上を歩くことが多く、滑りやすいので注意が必要とのこと。
銀閣寺ルートの次に王道なルートなため、初心者の方でも安全に登れるでしょう。
【今回のルート】銀閣寺ルート
所要時間 : 約1時間
銀閣寺ルートは、その名のとおり、銀閣寺付近から登ります。
多くの人が使うルートなため道に迷う心配が少なく、また、1時間程度で登れることから、地元の小学校・中学校の学校行事になっているそう。
最も王道なルートらしく、登山初心者な私はこのルートを選びました。
大文字山を登る際の注意事項
大文字山は標高がそこまで高くないため、「登山」というより「ハイキング」という感覚に近いかもしれません。けれど、山は山。
カジュアルな恰好で登っている方も多くいらっしゃいますが、念には念を入れ、しっかり準備して挑みましょう!
- 登山前はストレッチすることをおすすめします。
- 急に体を動かすと関節がびっくりしてしまう恐れがあります。登山前にしっかりストレッチをすると、怪我をする確率が減ります。
- 地図の用意
- 大文字山は登山者が多いのと、各場所に案内板があるので迷いにくいと思います。ただ、事前にYAMAPなどでルートを確認しておくと、なお安心。この記事も参考にしてください💖
- 熱中症対策は万全に!
- 家の中でもなるらしい熱中症。水分補給だけではなく、塩分を補給できる飴や飲用ゼリーなどを持っておくといいでしょう。
- 急な天候の変化に応じられる服装
- 頂上まで登って実感しましたが、麓と頂上では気温が違います。麓や登山中は暑くても、頂上は寒いことも。リュックに折りたたんでしまえる上着があると便利です。
京都駅から銀閣寺ルートへのアクセス方法
銀閣寺ルートの最寄りは、バス停 銀閣寺前です
📍〒606-8406 京都府京都市左京区浄土寺石橋町
このバスに乗ってください(o^―^o)
- 市バス5系統-銀閣寺・岩倉行き-
- 市バス17系統-四条河原町・銀閣寺行き-
京都駅の烏丸口を出ると、円状にバス停が並んでいます。
京都府民の移動手段は基本バスというほどバスの便が盛ん。市営バスは非常に系統が多いので、番号で覚えると間違いずらいかと。
上記の5系統・17系統は、乗り換え無しで銀閣寺前まで行くことができます。
銀閣寺バス停から大文字山入口までのルート
銀閣寺バス停を降りてすぐ、目の前の風景です。
この道を真っ直ぐ進むと、銀閣寺橋に突き当たります。
銀閣寺橋
この日は日曜日だったため、多くの観光客で賑わっていました。
銀閣寺橋の横は……
銀閣寺橋の右側は、哲学の道が伸びています。
この写真の撮影時は2024/4/14。もう1週間早ければ、満開の桜並木が見られたでしょう。
銀閣寺通りを直進
銀閣寺橋を渡ると、銀閣寺道に出ます。
名前のとおり、銀閣寺に繋がる道です。
土産屋や飲食店などが軒を連ねており、数々の誘惑に惑わされることになります。
誘惑に弱い私は道中に置かれていたおみくじを引き、列ができていた甘味処でわらびもちドリンクを飲みました。
【閑話休題①】おみくじ
「世界一当たる!」という謳い文句に誘われ、左側のおみくじを引いてみました。
が、結果が芳しくなかったため、記憶から抹消。
【閑話休題②】腹が減っては戦はできぬ! 飲み歩きにぴったりな「甘味処 鎌倉 京都銀閣寺前店」のわらびもちドリンク
喉がかわいていたのとちょっとした列ができていたことから興味が引かれ、来店。
竹を連想させる素材を使った店構えやオブジェクトがかわいい💖
目の前のご家族が買っていたわらびもちドリンクが美味しそうだったので、浅川園のお抹茶味を購入しました。
1口飲んでの感想は、想像より抹茶が濃厚!
本格的なお抹茶を使っていることがわかります。
わらび餅は、タピオカを煮詰めすぎたような、柔らかな食感。
タピオカを飲んだことがある方なら違和感は感じないでしょうが、慣れ親しんでいない場合は不思議に感じるかもしれません。
とても私好みな味で、すいすい飲んでしまいました。
注文をしてから店員さんにより作っていただけるため、少し待ち時間があります。私の際は5分ほどでした。
銀閣寺前
さてはて、少し話が脱線してしまいました。
おみくじとわらびもちドリンクのお店から徒歩5分ほとで、銀閣寺に到着します。
時間にゆとりがある方はぜひ寄ってみてください。
日本古来の文化、侘び寂びを感じられる素晴らしい寺院です。
銀閣寺前を左折
銀閣寺の前の、左側の小道を進みましょう。
すると、八神社に突き当たります。
八神社を右折し、少し歩くと登山口に到着
八神社を右折後は森林が多くなり、山道っぽくなります。
自転車置き場を通り過ぎ、道なりに進むと大文字山入口に到着!
いよいよ登山開始です。
さあ、登山開始!
大文字山登山口すぐ横にある「行者の森」。祠と鳥居があります。
登山口から中間点まで
いよいよここから、登山スタートです!
大文字山銀閣寺ルート唯一の自販機。
大文字山には売店がありません。
なので、この時点で飲み物を持っていない・残り僅かな場合は、買い足しましょう。
登山は想像以上に体力を消耗します。また、春夏秋冬問わず、水分補給は必須! 脱水症状は気づかぬうちになっていることが多いので、要注意。
はじめはなだらかな道が続きます。
川のせせらぎと緑のマイナスイオンが体に優しく、日々の喧噪を忘れられる静けさでした。
こちらは湧水。
飲用はNGです。
手洗い場として使いましょう。
湧水から5分ほど歩くと、1度目の難関、階段が現れます。
ちなみに難関は2つ。
2度目の難関は火床到着直前です。
一応整備はされていますが、石や土の盛り上がりででこぼこしているのと、階段の段差にばらつきがあるため、慎重に進みましょう。
階段を上り終えてから中間までは、しばらくこのような道が続きます。
地面に木の根が張り巡っていました。転ばないよう、気をつけてください。
そして、突然開けた空間が。
ここが中間地点です。
目印はこの千人塚。
千人塚とは……
太平洋戦争中、陸軍がこの場所を掘ったところ、たくさんの人骨が出たそう。
千人塚はそれらを供養するために建てられました。
ここは火床までで唯一ゆっくり休める場所。
乱雑に置かれている(倒れている?)お好きな丸太に座り、休憩しましょう。
中間地点から火床まで
中間点から火床までは、こう言ってはなんですが、今までとあまり変わり映えしない風景が続きます。
しかし、足元の危険度レベルは格段に上がります。
木の根だけではなく大きめの石や落ち葉など、足元を取られないよう、充分注意してください。
私は何度か転びかけました。
中間地点から10分ほど歩くと、長い石段が登場。
2度目の難関、言うならばラスボスです。
普段運動不足な方はこの時点でそこそこお疲れなはず。
Webデザイナーとして日々デスクワークな私は、中間地点前からひっひっふー状態。この石段を前に「帰ろうかな」と思ってしまいました。
斜面がとても急です。
だいたい100段くらいあったかと思います。
「勘弁してくれよ……」と内心泣きながら、途中脇に寄り、休み休み上りました。
石段を上ってしまえば、あとはなだらかな山道です。
ここまで来れば、火床はすぐこそ!
火床直前で再び急な斜面がありますが、石段ほどではありません。
火床に到着!
大文字山の最も見どころ、「火床」に到着!
江戸時代の初めのころは大文字の火床は杭を打って松明を刺して、そこの点火をしていたようですが、現在は長い大谷石を2本、山肌の平場に置き、そこに松割木を井桁状に高く積み上げ、その中や周囲に麦わらを集め、松明で点火するという「積み木」方式です。
また、その積み木式の火床も幾つかの種類があり、二つ並べた長い大谷石の上に積む「大文字」と「船形」、コンクリートで固めた栗石の上に松を積み上げる「左大文字」。
そして「妙法」は現在、鉄で出来た大きな受け皿の上に松を積み上げています。鳥居形の松明を指すのも現在は鉄製の受皿になっています。親火床だけは、松割木と護摩木を井桁状に積み上げています。
火床に座って食べるおにぎりは最高の美味しさでしょう!✨
そして火床からは、京都の街を一望できます。
京都は2007年に導入された「新景観政策」により、市内広域の建築物の高さが最大で31mまでに制限されています。なので、タワーマンションや超高層オフィスビルはありません。
森林の緑と京都の街並みと抜けるような青空の、絶妙なコントラスト。
この景色に、登山の疲れがいっきに吹っ飛びました。

火床から大の字の横棒までの道のりと景色
火床から上の山道はあまり整備されていない印象を受けました。
地面をびっちり覆っている落ち葉が滑るのなんの。
火床から上に登る場合は、滑り止めがついているシューズか、登山靴を履いておくと安心です。
私はジョギングシューズで挑んだのですが、なかなか困難でした。
大の字の横棒からの景色
写真の右端にあるよっつの横棒が、大の字の横棒です。
火床よりも標高が少し高いため、京都の街がより鮮明に見えました。
大の字の横棒から頂上までの道のりと景色
先にお伝えすると、大の字の横棒から頂上までの道のりはなかなか険しいです……!
道がでこぼこ!
木の根だけではなく段差も多く、しかも落ち葉が足元を邪魔します。
この谷のようにへこんだ道は、進むのになかなか苦労しました。
攻略のコツは、へこみの外側は土の感触が独特で滑りやすいため、足をへこんだ部分に入れ、平均台の上に乗っている感覚で歩くこと。
こうすると転びにくかったです。
頂上からの景色
頂上には、休憩スペースのように木の机や座れる丸太が置いてあります。
4月なのに27度と暑い日でしたが、頂上は木々の影で涼しく、麓よりも低気温に感じました。
正直な感想、景色は火床や大の横棒のことろのほうがきれいだったかな……。
けれど、「頂上まで登った!」という事実が大切。
達成感が得られました。
大文字山の頂上まで登ってみての感想
Googleで「大文字山」と検索すると「ハイキング」と出てくることが多いので、お散歩気分でいましたが、それは間違いでした。
とても山です! (←当たり前でしょうが……)
中間地点に辿り着く前には「もう帰ろうかな……」と思うほどの疲労感。
どうにか火床に着いた際は、感動のあまりひとりガッツポーズをしました。
そして、頂上まで登れたときは飛び跳ねるほどの達成感を味わえ、とても感激!!✨
山慣れしている方はなんてことないのでしょうが、運動不足を自覚している方は心して挑んでください。
ちなみに、「大文字山を登る際の注意事項」は、私の後悔を基に記しました笑